breathdiary

                       

   

夕日

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鮮やかなオレンジの太陽は雲の微かなベールでその姿をくっきりと見せて西の空を下って行きました。動いているようには思えないのに、ひと呼吸するごとに極わずかに確実に空を降りていくのです。 カメラには淡い色しか映りませんでしたが、卵の黄身のような色でした。

手を焼かすけれど、憎めなくて、マンガみたいによれよれになってしまっていた、あのおじいちゃん。 このところ元気を失って、検査を受けるとすい臓がんの末期で、あともう、間もないときいた。 仕事の中でのことだから、特別に感情もわかせていられないし、 大きい病院へ転院して、お別れ。 でもずっと何か胸にひっかかていたものが急にこみあげる まだ屈託の無い言葉を放って、心をくすぐって欲しかった。 夕日に手を合わせて拝んで、そのときは幼い子供みたいなかわいさだった。

そんな思いが胸を締め付けて、はじけた。なんで急に泣き出すのか、人間でいる自分が嫌だと思うくらいに。愛するほどに辛いなんて、ばかみたい。

今日もどこかで、人々が肉体を置き去りにして、別の世界へと旅立っている。もう一度会いたいという思いは刃物のように残された人の心を突き刺す。人はなぜ人を愛するんだろう・・。